1月18日分、ワールド・カフェ・レポート

〜 〜 ネットとリアルのコミュニケーションの融合を目指して 〜 〜

去る18日に開催をしました、ワールド・カフェをレポートします。

  1. ネットとリアルを融合させる試み
  2. ネットを導入してみたことで見えてきた課題
  3. ネットはあくまで補完ツール
  4. ネットを取り入れるご提案(原案)
  5. 総論
  6. お寄せ頂きましたメッセージ

今回は15名の皆様にご参加を頂きました。30代前後の若い世代からの参加者が目立ちました。また通常のワールド・カフェではあまり見かけないエンジニアからの参加もあったことが今回の特徴です。

ゆるゆる広場、ワールド・カフェ、110118

テーマは「自分の活力の源はなに?」今回は初の(?)ネットを導入したワールド・カフェを行ないました。本レポートはそのことをメインに報告します。


1.ネットとリアルを融合させる試み

ネットとリアル特性がうまく噛み合えば、これまでのワールド・カフェとはひと味違う場を創っていけるのではないかという着想で試みたのが今回の企画です。

ゆるゆる広場、ワールド・カフェ、110118

いつもワールド・カフェで使われるテーブル上の「模造紙」を廃して、ネット上に自由に書き込みができるツイッターのようなコミュニケーション・ボードをグループ毎にご用意して、スクリーンに映し出しました。

狙いは2つ。一つは会場の情報共有のスピードを高められないかということ。もう一つは、セッションの後を振り返るのにも有効に使えるのではないかということなどです。


2.ネットを導入してみたことで見えてきた課題

ネット上のデータはどんなに外部から遮断をしていても、完全ではありません。

「本当にバレたら困ることはボードに書かないで下さい。」 という断りから始めた今回のワールド・カフェ。 その主催者側の懸念とはウラハラに、皆さまからは自由気ままにご投稿を頂いておりました。

ゆるゆる広場、ワールド・カフェ、110118

ご自身のホームページ、ツイッターアカウントを書き込む人。ネットに繋がっているから、その場でフォローもできる。・・笑

初めは要を得ずに書き込みの少なかったボードも、後半はリズミカルに更新が重ねられました。

その一方で、参加者すべての人がネットに書き込める環境を整えられての参加であったワケではなく(持ち込みは任意でした)、今後に課題を残すことになりました。


3.ネットはあくまで補完ツール

セッション中、ノートパソコンの液晶画面が「つい立て」のようになり、そのグループのテーブルの上を流れる空気をもしかしたら、いつもと違うものにしていたかも知れません。

ゆるゆる広場、ワールド・カフェ、110118

ワールド・カフェは対面で話を重ねることが基本です。個人のコミュニケーション・スキルに委ねられたりもします。 画面に注視し過ぎてしまうことで、眼と眼を合わせるという対面でのコミュニケーションを損なってしまうことはなかったか、グループとしての一体感を作りづらい空気はなかったか課題が残ります。

通常私たちがパソコンに向かってキーボードを打つときは、自分の意見や考えをまとめるときが多いです。 でもワールド・カフェでの使用は少し異なります。自分の意見は口頭で表明することになり、手は動かせません。逆にグループのメンバーが話している内容を書きとめてあげることになります。


4.ネットを取り入れるご提案(原案)

公開性とアットホームさが共存するワールド・カフェにおいて、ネットのしくみを取り入れていくことはいくつかの工夫が必要のようです。その一つの視点として、いくつかの気づきを書きとどめておきます。

1.使用端末はタブレットだけにする。 ノートパソコンはなしで、タブレットに統一したほうがいいのではないか。参加者全員分が用意できればいいが、そうでなければ、ツールの所有如何で参加が問われるほどのものではないので、タブレットは任意にして、通常の机の上の模造紙とハイブリッドで進めてもいい。

2.ネット投稿係をグループごとに配置する。 グループ毎に(移動しない)ホスト役とは別に、記録係がいて、プロジェクターから映しだされるスクリーン上にそれぞれのグループの話題が垣間見られるのもいいかも知れない。記録係はレポートを上げていくときに、ある程度の編集能力が問われる。

3.コミュニケーション・ボードは全体で一つを利用する。 今回ネット上のボードはグループ毎に用意したけれど、ボードは一つでいいのかも知れない。(アンケートにてご指摘を頂いております。)いつもリアルタイムで他のグループで議題に上がっていることがチラリと見えれば良しとします。


5.総論

対話の安全な場を提供する、ワールド・カフェ。 効率よく情報の共有を促進するネットのボード。 相容れない特質を持ち合わせる一方で、それぞれの良さを活かせる場の提供ができれば、さまざまな可能性の広がることを実感します。

ゆるゆる広場、ワールド・カフェ、110118

個人情報の保護や書き込み、発言の対等性が失われないこと、場の一体感を損ねないことなどの課題も十分に検討されなければなりません。

一足飛びにはいかないかも知れませんが、ビジネスの現場やさまざまな活動においても、ネットとリアルの相互コミュニケーションを促進する状況はいくらでも生まれている今日です。

ゆるゆる広場では、今後も皆さまのご理解とご支援を頂きながら、より好ましいリアルとネットのコミュニケーションの在り方を追求して参ります。

当日、貯金箱を置かせて頂きました。皆さまから任意に5,000円ちょうどの支援金を頂戴致しました。この場をもちまして報告すると共に、深くお礼を申し上げます。


6.お寄せ頂きましたメッセージ

ご参加者からのご意見・ご感想をアンケートフォーム・メールなどから承りました。ご本人に了解を頂きましたのでご紹介させて頂きます。

  • Q1:今回、特に印象に残ったこととその理由を教えてください。
  • Q2:その他、ご感想、お気づきの点などご自由にお書き下さい。

以下、2011年1月23日午後23:00現在でのお寄せ頂きましたメッセージです。


「一つのテーマについて、 いろんな立場の人が自由に話す」というのは、 実は雑誌ロゼッタストーン時代に 有志を集めてやっていた会合ととても似ています。 (次の雑誌のテーマについて、いろんな人の 意見を聞いていました)

その頃も思いましたが、 日常生活では、「真面目に人と話す場」というのが 意外にないんですよね。 「話をしたい。人の意見を聞きたい」という潜在的な欲求に 応えているのが、「ワールドカフェ」なのかな、と思いました。

パソコンの使い方ですが、 同じグループの話は、その場で聞けるので、 パソコン上ではグループごとに分けず、 すべての人の話をリアルタイムで読めるようにしたほうが いいのかな…とも思いました。

そうすれば、 「他のグループではこんな話をしている」というのが きっかけとなって、 話が発展しそうな気がします。 ・・・・

弘中百合子さん ( 株式会社 ロゼッタストーン 代表取締役社長)


Q1:ワールドカフェに参加された方が、予想した以上にITリテラシーが高かった点(いつものカフェでは今回ほど高くないとのことでしたが)が印象に残りました。

Q2:WordPress P2テーマで投稿(チャット)しながらリアルで会話するのは、とても楽しかったです。 真木 俊久さん( @MakeGoodTimeWordPress experiment – twentyten customize-


Q1:リアルとネットという新しい切り口でワールドカフェをしたことがやはり印象に残りました。 テーブルCでは、Mさんがタイムリーにタイピングをしてくださったので、テーブル内での意見を、聴覚と視覚で捉えることができた点がよいと思いました! また、他のテーブルの内容も含めて、カフェ中はもちろん、終わってからも見れる点がよいと思いました。

Q2:いろいろと可能性を感じたので、今回の経験を生かして、またカフェを開いてほしいです。

玉木 康司さん (プルデンシャル生命 新東京第三支社)


Q1:自己紹介をネット上で行うことで、ホームページなどを見ることができ、初対面の人のことがよくわかってよかった。 └リンクを張ることが出来る。

Q2: ・PCは参加者全員使えたほうがいいです。事前に持物を必須にしてしまったほうがよい。 ・ピザがおいしかった。 ・PC画面を見ることに集中して手を上げるのを忘れてしまった。

森内勇登さん( @moriuchiyuto ) (NPO法人ドットジェイピー 千葉茨城支部 スタッフ)


Q1:若い人が多かったこと。人によってものの見方が違うことを改めて実感できた。

Q2:問いの言葉の定義、をはっきりさせるともっと議論が深まったのではないかと思います。 活力の源、という言葉でも、活力ってどんな事を指すのかは人によって取り方が違うのではないかと思いました。 (実際、人によって捉え方が違っていたような。)

窪川 淳さん


Q1:通常の技術的な勉強会などとは違う雰囲気がとても新鮮でした。

by shokun0803 さん( @shokun0803アウトブレイク![outbreak]


[1月25日更新]
・時間が短かった。意見は色々出たが発散していた
・他者の意見を元に自分の意見を発展させられなかった
・書き込みに自分の名前を付けるのに抵抗がある →自分の意見(書き込み)なら良いが、他者が自分の名前を元に書き込みを行う事に違和感や抵抗感を感じる。
※残したい部分と、残したくない(記録したくない)部分の切りわけが必要 →ワールドカフェで模造紙にメモする場合はどのようなルールか?

・「まとめ」では無いが、ポイント、キーワードが欲しい。 →”ふぁぼり”があると、浮かびやすい。
・色々な意見から「他者の意見、キーワードからポイントが浮かび上がる」トコまで至らなかった
・対話しながらタイプしながらは難しい。 どっちつかずになる。 話しも上の空で聞きがちになるし、タイプも疎かになる。 → キーワードを メモる、くらいが丁度良いのかも?

※日頃からタイプと会話に慣れていると、タイプの方が楽になるかもしれません。 現在は、タイプと筆記が両方混じった時代だと想います 。

by まー♪ さん

5 thoughts on “1月18日分、ワールド・カフェ・レポート”

  1. おはようございます
    今井です
    ご無沙汰しています

    当日は仕事の都合等等で参加することは諦めましたが、
    レポートを見ていると大盛況だったようで、
    都合をつけて参加しておけばよかったと後悔しています

    個人的にP2を利用していますが、未だに戸惑う部分もあります
    お時間が有りましたら、リアルとネットのワールドカフェ、
    P2の使いこなしなどのお話もお聞きしたいと思います

  2. 今井さん

    おはようございます。渡邉義一です。
    ご無沙汰しております。

    丁寧なコメントを頂き有り難うございます。
    今回の試みはまだ始まったばかりです。

    当日は平日の夜で、きちんとした懇親会も設定できず、
    ご参加の皆さまともほとんど直接ご感想を伺えていません。

    日を改めて、皆さまと今回のコミュニケーションスタイルを肴に
    お話をする機会があってもいいかなと思っております。

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